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試供品を大量に持ち帰ったら逮捕される!? 窃盗罪について弁護士が解説

2018年11月02日
  • 財産事件
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試供品を大量に持ち帰ったら逮捕される!? 窃盗罪について弁護士が解説

福岡県では、平成30年5月に、入院患者の氏名や医師と看護師のミーティング議事録などを記録したノートパソコン1台が盗難被害にあう事件がありました。この犯人が逮捕されれば、窃盗の罪が問われることになるでしょう。

窃盗罪とは、現金だけでなく液体や気体、電気などを含む「他人の財物」を盗むことで成立する罪です。本人が犯罪だと知りながら犯行に及ぶケースが大多数でしょう。窃盗したのち、自身で使ったり転売したりするケースはあとを絶ちません。しかし、本人にとっては「盗んだ」という罪の意識がないケースもあります。

では、もしも店頭に置いてある試供品を大量に持ち帰ったら、この行為は窃盗にあたるのでしょうか?

今回は、窃盗罪にあたる行為や窃盗罪の量刑、逮捕の種類や逮捕後の流れを福岡オフィスの弁護士が解説します。窃盗罪の容疑で逮捕されるかもしれない、逮捕されたらどうなるのか……という不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

1、窃盗罪にあたる行為とは

基本として、窃盗の罪が問われる法的根拠について知っておきましょう。

  1. (1)窃盗罪の主なケース

    「窃盗」は刑法第235条に規定されている「人の財物を盗み取ること」で成立する犯罪です。

    たとえば、以下のようなケースが窃盗として罪が問われます。

    • 万引きをした
    • さい銭箱から現金を盗んだ
    • 下着を盗んだ
    • 駐輪中の自転車を盗んだ
    • 空き巣
    • スリ
  2. (2)思いがけず窃盗罪に問われる可能性があるケース

    本人には盗んだつもりがなくても、以下のようなケースでは、窃盗罪に問われる可能性もある行為もあるため、注意が必要です。

    <ケース1>
    友達に貸した本を勝手に持ち帰った

    友人はあなたの許可を得て本を借りていた半面、あなたが持ち帰ったときは友人の意思に反して持ち帰ったことになります。本そのものはあなたのモノですが、あなたが貸したという許可を出した時点で「モノは友人が占有する」と判断されます。
    よって、「あなたが『友人が持っていた本』を盗んだ」と解釈されるため、あなたが窃盗罪に問われる可能性があるということです。


    <ケース2>
    盗まれた自分の自転車を乗っている人を発見。乗っていた人が駐輪したあいだに、自分の自転車を勝手に持ち帰った

    たとえあなたの自転車であっても、「乗っている人の自転車」だと解釈されます。よって、窃盗罪に問われる可能性があります。
    これは、現在の所持者の権利を守るための措置です。あなたの自転車に乗っていた人が、盗んだ人とは限らず、譲り受けた・リサイクルショップなどで購入した……という可能性もあります。
    もし、自分の自転車に乗っている人を発見したときは、自分だけで取り戻すのではなく、警察に連絡して確認してもらったうえで引き渡しをお願いするほうがよいでしょう。


    <ケース3>
    無料で配布されている化粧品のサンプルを、勝手にたくさん持ち帰った

    試供品とは、一般的に商品を試すために1~2回分の使用量を無料提供しているものです。店舗側が「原則的にひとり1個が適量」と考えて配布しているモノを、こっそり大量に持ち帰ったことに気付けば、窃盗罪として被害届を提出する可能性が高いでしょう。

    店員の許可を得ずにテスターや試供品を持ち帰った場合や、無断でスマートフォンの充電を繰り返すなどのケースでは、店舗が被害届を出すことで警察の捜査が始まる可能性は十分にあります。

2、窃盗罪の量刑

窃盗罪で有罪となったとき、科せられる刑罰は以下のとおりです。

懲役(ちょうえき)
10年以下のあいだ、刑務所で身柄を拘束されて服役する

罰金(ばっきん)
50万円以下を支払う


刑事事件として処罰された際、科せられる刑罰の重さは、犯行の悪質性によって異なります。

たとえば、今回の窃盗が被疑者にとって初めての犯行だったとしても、被害金額が大きかったり、計画性が高かったり、集団で窃盗を行ったケースなどでは、より重い処罰を科せられる可能性が高まるでしょう。

一方で、被疑者に「前科」や「前歴」がなく、被害額が少なく逮捕された本人が深く反省し、「示談」が成立しているうえ、身元引受人がいる……などのケースでは、「微罪処分」と呼ばれる、警察で厳重注意を受け、帰宅できるケースもあります。
この場合、「前科」はつきません。ただし前歴は残ります。

処罰を少しでも軽くするために、もっとも重視される要素は「示談」です。
示談とは、被害者と加害者が話し合い、事件そのものを解決に導こうとすることを指します。刑事事件で示談が成立するときは、多くのケースで、加害者が謝罪と賠償を行い、被害者は「加害者を許します」と明言することで成立します。

基本的に、警察でも検察でも、被害者がいる犯罪の場合、被害者が「罪を犯した者へ罰則を与えたい」と思っているかどうかが大きく重視されるのです。
よって、早い段階で被害者と示談を成立させ、許してもらっているという証明を得ることが大切です。逮捕前に示談が成立すれば、在宅捜査や不起訴を目指すことができます。

3、逮捕の種類と逮捕後の流れ

「逮捕」とは、捜査などのために身柄を拘束することを指します。
もし逮捕されれば、しばらくのあいだ、仕事や学校へ行けなくなるケースが多々あります。ここでは具体的に、逮捕されたらどのような手順を踏むことになるのかについて解説します。

  1. (1)逮捕の種類

    逮捕には「現行犯逮捕」「通常逮捕」「緊急逮捕」の3種類があります。
    緊急逮捕は、殺人などの凶悪事件などで用いられる逮捕方法のため、窃盗の罪だけが問われて逮捕される場合は、「現行犯逮捕」「通常逮捕」のどちらかの形で逮捕されます。

    現行犯逮捕
    「現行犯逮捕」は、罪を犯している最中かその直後に身柄を取り押さえることを指します。犯行していたことが明らかであることから、身柄の拘束が許可されています。警官だけでなく、被害者や目撃者によって逮捕されることも少なくありません。
    万引きした直後、店を出たときに声をかけられて逮捕されるケースなどが代表的です。


    通常逮捕
    事件の後日、逮捕されることになる「通常逮捕」には、逮捕状が必要となります。
    身柄を拘束するための理由が求められるため、警察は証拠を押さえ、裁判所に逮捕状の発行を請求します。つまり、窃盗罪で後日逮捕されるケースでは、被害届の提出がされていることや、防犯カメラなどの証拠があるため、逮捕に至るということです。


    いずれにせよ、警察が罪を犯した可能性がある「被疑者」を逮捕するためには、そのための理由が必要です。

    素直に罪を認め、捜査協力し、示談が成立していて、逃亡や証拠隠滅の危険性がないことが証明できるときは、身柄を拘束されないまま捜査が進むこともあるでしょう。「在宅事件扱い」と呼ばれる措置です。

    反して、被疑者が犯行を繰り返す恐れのある場合や、証拠を隠したり逃げたりしそうな場合、共犯者がいる場合などは、継続して身柄を拘束され続ける可能性があります。

  2. (2)逮捕後の流れ

    逮捕後の流れは、窃盗罪に限らず、すべての刑法犯で同じプロセスをたどることになります。

    被疑者として逮捕されたあと行われるのが警察による取り調べです。
    警察は、最大48時間以内に、事件や被疑者の身柄を検察へ送る「送致」を行うかどうかを、捜査結果をもとに決定します。
    もし送致されなければ「在宅事件扱い」か「微罪処分」となり、身柄を解放されます。

    検察へ事件および被疑者の身柄が送致された場合、検察は、送検から24時間以内に、引き続き身柄を拘束して捜査する「勾留(こうりゅう)」の必要性を判断します。
    勾留が決まると、10日から最大20日間を警察署の留置場で過ごすことになります。勾留されなければ、被疑者は身柄を解放されて在宅事件扱いへ切り替わります。

    起訴・不起訴の決定は、検察が行います。勾留中であれば、勾留期間が終わるまでに決定されます。在宅事件扱いとなったケースでは、起訴・不起訴を決めるまでの期間が定められていません。数ヶ月後に起訴・不起訴が決まるケースもあります。

    「不起訴」となれば被疑者は身柄を解放されて日常生活に戻れますし、前科もつきません。

    「公判請求」として起訴された場合には、起訴の約1ヶ月後に刑事裁判が開かれて有罪・無罪の判決が下されます。保釈請求が認められない限り、判決が下されるまでのあいだも、引き続き身柄を拘束されることになります。「略式請求」として起訴されたときは、書類のみの手続きで判決が下されることになるため、起訴後に身柄の拘束は解かれます。

4、まとめ

今回は、窃盗罪にあたる行為や窃盗罪の量刑、逮捕の種類や逮捕後の流れについて解説しました。

試供品を大量に持ち帰る、またはテスターとしておいてある化粧品を持ち帰るなどの行為も、窃盗の罪が問われる可能性が高いものです。
盗んだ当日に逮捕されなくても、防犯カメラの映像や目撃証言などによって後日になって逮捕される可能性は十分に考えられます。

窃盗罪として逮捕されれば、長期間身柄を拘束され、刑罰を処される可能性があります。
拘束されているあいだは仕事などにも行けなくなります。前科がついてしまえばなおさら、今後の将来にも大きな影響を残す可能性は否定できません。

被害者との示談を成立させ、警察や検察に働きかけることで、長期にわたる身柄の拘束や前科がつくことを回避できる可能性が高まります。弁護士は逮捕されて後、いつでも面会できるため、弁護士に依頼すれば、少しでも早い示談成立を目指すことができるでしょう。

福岡県内で、窃盗容疑によって逮捕されるかもしれないという不安があれば、弁護士に相談することをおすすめします。ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスでは、将来への影響を最小限に抑えるため、具体的なアドバイスを行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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