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愛人とその子どもにも相続権はある!? 相続の本当のところが知りたい!

2019年01月28日
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愛人とその子どもにも相続権はある!? 相続の本当のところが知りたい!

遺産相続でもめる話はよく耳にしますが、実際のところはどうなっているのでしょう。
福岡地裁と福岡家庭裁判所の推移表によると、遺産分割調停事件は平成17年では391件でしたが、平成27年には564件となっており、確実に増えてきているようです。

通常の遺産相続でももめることがあるのですが、まして亡くなった父親に愛人やその子どもまでいた場合はどうなるのかと不安に思って当然です。母親が苦しめられたことを考えれば、遺産相続自体に嫌な気持ちも湧くこともあるでしょう。法律的にどうなっているのかについて、福岡オフィスの弁護士が解説します。

1、原則として愛人は相続人になれない

長年、母親が愛人に苦しめられた姿を見ているなら、なおさら父親の死亡という悲しみのなか、愛人の相続のことまでを考えなくてはならないとなったらつらいと思う気持ちは当然のことです。

まず前提として、愛人は基本的に「相続人にはならない」ものです。まずは相続の基本について詳しく知っておきましょう。

  1. (1)相続人となりえる人とは?

    民法では、相続の際に争いにならないよう、相続できる人の範囲がすでに定められているのです。これを、「法定相続人」と呼びます。

    遺産を持つ方が他界した時点で相続がスタートします。その際、遺言書がないケースであれば、法定相続人の範囲で相続が行われることになります。

    法定相続人
    • 故人の配偶者(民法890条1項)
    • 子ども(民法887条1項)
    • 子どもがいない場合には、故人の両親や祖父母など(民法889条1項1号)
    • 子どもがおらず両親や祖父母なども亡くなっている場合には、兄弟姉妹(民法889条1項2号)


    相続する際の原則となる法定相続人の範囲は基本的に上記のとおりとなるため、「愛人」は相続人に含まれません。

  2. (2)内縁の妻との相続における違いは?

    愛人とよく混同されるものに「内縁関係の妻」というものがあります。
    しかし、根本的に違うのは、愛人関係は一方か両方がほかに婚姻関係を結んでおり、内縁関係は両方にほかの婚姻関係がないという点です。

    ただし、相続においては、「愛人」でも「内縁関係の妻」でも相続権はないとされています。
    もっとも、民法第958条の3では、被相続人と生計を同じくしていた者や療養看護に努めた者、そのほか被相続人と特別な縁故のあった者は、相続財産の全部または一部を相続できる場合があることを定めています。

    ただ、「愛人」の場合は、どちらか片方にそもそも家庭があるケースが中心となるため、この法律が適用される可能性が低くなる傾向があります。

  3. (3)愛人でも遺言書があれば相続は可能?

    相続人ではない愛人は、絶対に愛人が相続をできないかといえば、そうではありません。亡くなった父親が「愛人に遺産を譲る」などの遺言をしていたケースでは、どうなるのでしょうか。

    まず、相続人以外の第三者に遺産を送ることを「遺贈」と呼びます。当然、愛人にも遺贈することはできます。
    ただし、一部の法定相続人には「遺留分」と呼ばれる、法律によって保障されている割合があります。「遺留分」とは、法定相続人がいた場合に生活に必要な最低限度の財産を確保する法律で取り決められた割合です。遺留分に関しては、たとえ遺贈分や生前贈与があったとしても、侵害されることはありません。

  4. (4)愛人に全財産を遺贈するという遺言書が出たら?

    なかには「愛人に全財産を遺贈する」というような遺言書を作成して亡くなる方もいらっしゃるでしょう。 しかし、これも先に述べた遺留分があるので、一般的には遺言書どおりにはなりません。

    ただし遺留分を取り戻すためには「遺留分減殺請求」をすることが必要となってきます。遺留分減殺請求をするときには、侵害している相手にその旨の意思表示をすればいいのですが、その際は内容証明郵便を使って意思表示を行っておきましょう。その方が、言った・言わないの争いが起きません。

    なお、遺留分の主張ができる相続人は、法定相続人のうち配偶者・子(および孫)・直系尊属のみと、民法で定められています。よって、亡くなった方の兄弟姉妹には主張が認められない点に注意が必要となるでしょう。

    もしあなたの父親が他界した際の相続で「愛人への遺贈」が指定されていたとしても、あなたの母親やあなた自身が遺留分を主張すれば、まず認められることになります。

  5. (5)愛人が生命保険の受取人になっていた場合

    愛人に生命保険を残す契約があった場合は、生命保険の受取金額自体は遺産分割の対象にはなりません。

    しかし、保険金額は相続税の課税対象です。そのため相続税全体にかかわってくるので、場合によっては家族の支払う相続税が多くなる可能性も考えられます。
    このため、どのような保険の受取人になっているのかについては、愛人に確かめておいた方がいいでしょう。しかし、長年苦しめられた愛人にコンタクトをとるのが苦痛なこともあるはずです。

    また、相続税では複雑な計算式などが多数ありますので、弁護士に相談することをおすすめします。ベリーベスト法律事務所であれば、税理士と連携を取った対応が可能です。

    あらかじめ確認しておくことで、「後日になってから多額の相続税の請求が来て慌てる」などの事態を回避することができます。

2、愛人の子供に相続権はあるのか?

前述のとおり、基本的に愛人には相続する権利はありません。それでは愛人の子どもになってくるとどうでしょうか?

愛人の子どもといえども、父親の血を引いているということであれば、あなたと同じ立場の「子ども」と考えられます。では、相続の際はどのように影響するのかについて知っておきましょう。

  1. (1)非嫡出子の相続

    非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、愛人など婚姻関係のない男女の間に生まれた、父親から認知されている子のことです。

    「非嫡出子」であっても法定相続人と認められます。
    かつて、「嫡出子」と「非嫡出子」では法定相続分に差がありました。非嫡出子は嫡出子の相続分の半分と法律で決められていたのです。しかし、平成25年12月に民法が改正されて、嫡出子と非嫡出子における相続分の差が是正されました。

    遺産分割協議も非嫡出子の合意なしに進めることはできません。

  2. (2)認知されていない子の相続

    認知されていない状態では、その子には相続権はありません。「特別縁故者」として相続人になるケースもありますが、その場合はあくまでもほかに相続人がいない場合なので、このケースには当てはまらないでしょう。

    ただし、遺言書に愛人の子どもへの遺産相続を記してあったのでしたら、また事態は変わることになります。認知されていなくても、遺言があることによって相続の可能性が出てくるからです。

    もちろん遺留分があるので、全額をその子が受け取ることにはなりませんし、遺留分減殺請求を起こせます。ですが、話し合いがうまくいかない場合は家庭裁判所の調停をすることになるでしょう。それでも解決できなければ訴訟になります。

    以上のことを考えると、愛人の子どもから認知を求められるケースも考えられるでしょう。なかには「死後認知の訴え」を請求される可能性もあります。この場合、訴訟手続きをすることになりますが、父親は死亡しているため、相手は検察官です。多くはDNAを調べ、認否を決定することになります。

3、弁護士に頼むメリット

人が亡くなれば、相続する立場の人が集まって、遺産分割協議を行うことになります。この段階で弁護士を頼む人は少ないものですが、もめる要素がある場合は、少しでも早めに弁護士に相談しておくことをおすすめします。

まったくもめる要素がないと考え、遺産分割協議をはじめてみても、意外にこじれてしまったというケースは多いものです。感情的しこりになる前に、相続に関する裁判経験も豊かで冷静な第三者である弁護士が交渉にあたることが、家族関係を良好に保つ助けになると考えられます。

また、遺産相続には、遺産分割協議のほかにも数々の複雑な手続きや交渉が続出することがあります。たとえば、遺留分減殺請求、相続放棄、限定承認、相続税申告、相続手続きなどの手続きを面倒だと放置してしまうと、不動産などは無権利者が勝手に売却してしまうおそれがあるでしょう。

また銀行預貯金や株式などについても、名義変更をしないと払い戻しや株主としての権利主張などができません。これらも弁護士に相談しながら進めることで、それぞれの事情と法律に照らし合わせた合理的な協議内容をまとめることが可能となるでしょう。

また、争いがない相続であっても、遺産分割協議の成立後には不動産登記や銀行預金の払い戻し、株式や車の名義変更などの各種手続きも進めなければなりません。その煩雑な手続きについては、経験が豊かな弁護士をはじめとした、行政書士、税理士などの専門家に一任することをおすすめします。間違いを防ぎ、手間が省けて、心に余裕ができるはずです。

4、まとめ

たとえ愛人には相続権がないといわれても、非嫡出子がいるケースでは、調停や訴訟になる可能性も高いものです。その際、弁護士という法的なアドバイスが可能な存在を依頼しておくことによって、問題の多い遺産相続への不安な気持ちをやわらげることができます。

感情的なもつれがある相手とのやりとりも、弁護士を介すれば、直接話すことなく手続きを進めることができます。大事な方を亡くされて悲しみにくれる状況であるのに、顔を見たくない相手と対峙する必要はありません。

相続について問題になりそうなときは、まずはベリーベスト法律事務所 福岡オフィスの弁護士に相談してください。状況に合わせて、税理士などとも連携しながら、問題を解決に導きます。

ご注意ください

「遺留分減殺請求」は民法改正(2019年7月1日施行)により「遺留分侵害額請求」へ名称変更、および、制度内容も変更となりました。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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