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詐欺罪の時効はいつ? 被害に遭ったら行うべき対応方法を弁護士が解説

2021年03月02日
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詐欺罪の時効はいつ? 被害に遭ったら行うべき対応方法を弁護士が解説

福岡市でも「振り込め詐欺」などの特殊詐欺が多発しており、市のHPでも注意喚起がされています。自分は騙されないと注意していても、気が付かないうちに詐欺の被害にあっていたという訴えは後を絶ちません。

うまいもうけ話に、訪問販売、詐欺はあの手この手で財産を狙っています。しかしもし、あなたが詐欺にあった場合、どうすればいいでしょうか? それも、後日、ニュースを見て気が付いた場合などは、泣き寝入りするしかないとあきらめてしまう方もいるかもしれません。しかし、実のところ、詐欺の時効は思ったよりも長いのです。決して、簡単にあきらめるべきではありません。

そこで、詐欺にあった場合の対処方法を、詐欺罪という犯罪の解説を交えて、福岡オフィスの弁護士が紹介します。

1、詐欺罪とは

詐欺行為の時効と一口にいっても、実は刑法と民法にそれぞれ規定があることご存じでしょうか。それぞれに手続きも時効も異なっているのです。まずはそれぞれの違いについて解説します。

  1. (1)刑事事件の詐欺罪と時効

    刑事上において詐欺行為は、刑法第246条に規定されています。つまり、この刑法第246条に該当する詐欺行為は、言うまでもなく犯罪です。事件が発覚すれば警察が捜査し、相手を法的に罰することができます。

    ただし、刑法上の詐欺罪として罪を裁いてもらうためには、以下の4つの条件をすべて満たし、かつそのぜんぶに関係性がなければなりません。

    • 他人を騙す行為
    • 加害者の騙す行為によって、被害者が騙された
    • 被害者が騙されたことが原因で、財産を引き渡したり、処分したりした
    • 加害者、もしくは第三者が、被害者から財産を受け取ったり、処分による利益を得たりした


    詐欺罪で有罪になったときに科される可能性がある処罰は大変重く、10年以下の懲役となります。警察が捜査した結果、検察に起訴されて裁判で有罪になると、刑務所に入ることになります。

    なお、刑法では、詐欺罪の罪が確定した場合でも、詐欺で取られたお金が戻ってくることはありません。しかし、被害者は、騙された結果、被った損害を加害者に賠償させる権利や、精神的な苦痛に対する慰謝料を請求する権利を得ます

    刑事事件における詐欺罪の時効は、犯罪行為が終わってから7年となっています。これは刑事訴訟法に規定されている時効で「公訴時効」と呼ばれるものです。具体的には、検察官が犯人を訴えて、裁判にかけて罪を問うことができなくなるまでのタイムリミットを意味しています。ただし、刑事事件では、犯人が国外に逃亡している場合には停止するという規定があります。詐欺を行った犯人が、国外逃亡をしている場合などです。その場合、時効は停止し、どれだけ時間がたっても時効は成立しません。加害者が国内で逃げ回っていたまま時効を迎えた場合は、時効は成立してしまいます。また、時効が成立する前に起訴された場合、刑事訴訟法第254条第1項により、時効が停止します。逆にいえば、時効を停止するためには、犯人が起訴される必要があります。

  2. (2)民事上における詐欺行為と時効

    詐欺行為については、刑法だけでなく民法においても言及されています。具体的には、民法第96条によって、「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」、つまり相手を騙したり、脅迫をしたりしてさせた意思表示は無効になると規定されているのです。

    詐欺行為によりした意思表示を取り消しする権利は、取り消しをする意思表示を行うことによって認められます。取り消しが認められれば、意思表示そのものが初めから無効だったとみなされ、仮にその意思表示によって契約を締結したとすると、意思表示を取り消すことにより、相手方が契約によって受け取ったものはあなたへ返還する義務を負うことになります。また、騙された結果、損害が生じた場合は、加害者に対し、不法行為に基づく損害賠償請求することも可能です

    ただし、意思表示を一切行わなければ時効を迎えてしまいます。まずは意思表示をすることが重要です。民法第126条で定められているように、契約の取り消しする権利は、後から契約を有効だと追認ができるときから5年間、契約行為からは20年間になります。

    さらに、不法行為に基づく損害賠償請求を行う場合の時効は、詐欺事件を起算日として20年、そして詐欺行為をした者と詐欺行為による損害を知ってから起算して3年です。つまり、自分が詐欺にあっていたことを知らなかった場合は、20年間時効は成立しませんが、詐欺に気が付いた瞬間から3年が時効になるというわけです。

    繰り返しになりますが、詐欺にあったことを気づいていながら何もしなければ、時効が成立してしまいます。時効が成立してしまえば、民法に規定された損害賠償請求権は消滅し、犯人に対して返却を求めたり、損害賠償を求めたりすることはできなくなるのです。

  3. (3)慰謝料の時効

    前述したように、詐欺の被害にあった場合、損害賠償とは別に慰謝料という名目で損害賠償を請求することができます。慰謝料とは、精神的な苦痛に対する損害賠償です。離婚やDVなどの場面で聞いたことがあるのではないでしょうか。

    なお、慰謝料は不法行為に基づく損害賠償請求に含まれます。したがって、その時効も不法行為に基づく損害賠償請求権と同じく、詐欺事件を起算日として20年、詐欺行為をした者と詐欺行為による損害を知ってから3年で時効が成立します。したがって、時効を迎えてしまったことによって権利を失ってしまう前に、何らかの対応をしなければなりません。

2、詐欺の被害にあったら弁護士に相談を!

前述のとおり、詐欺の被害に遭ったとき、加害者に対しては刑事・民事、いずれの方法からでも訴えることができますが、当然ながらそれぞれ手続きが異なります。

詐欺にあってしまったとき、まずは、弁護士に早急に相談してください。弁護士に相談することで、さまざまなメリットを得ることができます。

  1. (1)手続きを任せられる

    詐欺行為に対する責任追及をするのであれば、前述のとおり、刑事事件なら事件が起こった時点から7年、民事事件の場合は「騙された!」と知ったときから時効が進み始めます。なにか対応をしなければと思ったとしても、具体的にどのような手続きをすればいいのか、多くの方がわからないのではないでしょうか。

    刑事事件化をする場合は被害届を出すべきです。それでも、被害届を出した経験をお持ちの方や、出し方を詳しく知っている方の方が少ないはずです。刑事事件化した場合、加害者側が弁護士を立て、示談交渉をしようとするケースが一般的です。示談交渉をもちかけられたのであれば、応じることによって被害回復がなされる場合があります。ただし、あなたが相手方の提案に同意して示談が成立した時点で、民事的な責任を問うことはできなくなります。慎重に対応するためにも、弁護士に相談しながら進めたほうがよいでしょう。

    たとえ刑事罰には問わなくても、だまし取られたお金だけは返してもらいたいと思う場合は、損害賠償請求を行うことが最初のステップとなるでしょう。実際の損害額だけではなく、加害者側の詐欺行為により迷惑を被った慰謝料を含めた請求を行えます。ただし、請求しただけでは支払ってもらえるとは限りません。しっかりと応じてもらい、受け取れるよう、法的な措置をとるべきですが、その方法がわからない方は多いでしょう。

    そのようなときもまた、ぜひとも弁護士にご相談ください。知見が豊富な弁護士であれば、ご相談内容に応じてより適切な手続きの方法についてアドバイスができるとともに、あなたの代理人として手続きのすべてを対応することも可能です。

  2. (2)損害賠償の金額が上がる可能性がある

    弁護士であれば、相手側との交渉にも慣れています。刑事事件の場合、前述のとおり、相手側の弁護士が相談をもちかけてくる可能性があるでしょう。なぜなら、示談交渉が成立していると謝罪や被害回復が行われたとみなされるので、警察や検察、裁判所から反省の意があると情状酌量され、刑が軽くなる可能性があるためです。

    そのようなとき、相手方の弁護士が提案するままに合意してよいのかどうか迷うかもしれません。対応に迷われたときは、あなた自身も弁護士に相談すべきです。対応を委任すれば、双方の弁護士同士で交渉を行い、もっとも適切な条件で示談が成立できるよう力を尽くします。また、慰謝料を含めた損害賠償の金額も上がることが期待できるでしょう。

    刑事事件にはせず、民事的に被害回復をしたい場合、やはり交渉が必要となりますが、相手方から示談を依頼されたときに比べて、より交渉が困難になる可能性があります。罪に問われる場合と比べて、相手方には、あなたの要求にこたえるメリットが少ないためです。詐欺行為をするほどの相手ですから、無視をされたり、行方をくらまされてしまったりする可能性は否定できません。対応方法にも留意する必要があることから、個人で対応しようとせず、まずは弁護士にご相談ください

3、まとめ

詐欺にあってしまったとき、刑事責任と民事責任の両方を問うことができます。初めて知った方も多いと思いのではないでしょうか。また、詐欺罪には時効が存在しています。もし、時効を過ぎてしまうと、被害にあったお金を取り戻すことは非常に困難になってしまうのです。

もちろん先述したように、時効を過ぎた場合でもいくつかの対処方法はあるのですが、いずれも専門知識がないと被害を回復することは大変難しいことです。弁護士ならば、お話を聞いて、どの方法をとるべきなのかについて検討・判別したうえで、手続きをすすめることが可能です。

もし、詐欺被害にあってしまったのであれば、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスへご相談ください。詐欺事件に対応した経験が豊富な弁護士が、早期解決に尽力します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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