遺言書が原因となり遺産相続で争いになった福岡在住者がすべきこと
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									相続にあたって、ご自身で遺言書をどのように書けばよいのか、または、遺言書が存在するところ、その内容などに納得がいかない等、遺言書にまつわる相談は少なくありません。
遺言書を作成する場合、相続争いとなってしまう事態をできるだけ回避し、法的に有効な効力を生じさせるために内容を細かく検討する必要があります。本コラムでは、福岡にお住まいの方に向けて解説します。
遺言書の書き方や、遺言書が存在するものの相続争いになりそうなときは、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスへご相談ください。																										
 
 
1、遺言書の法的な立ち位置と種類、効力
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						(1)遺言書とは?遺言とは、自身の死後の財産の帰属などを定める制度のことをいいます。法的に有効となる遺言は、民法に定める方式で行わなくてはなりません。遺言を行う意図があったとしても、民法に定める方式にのっとらずに書面を作成した場合、法的には有効な遺言とならず、遺言者の意思を反映した財産の帰属自体が難しくなる可能性が高いでしょう。 遺言の方式
 遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。普通方式には、① 自筆証書遺言、② 公正証書遺言、③ 秘密証書遺言の3種類があります。
 これら遺言を記した書面のことを、一般に遺言書と呼びます。
 
 特別方式には① 死亡危急時遺言、② 難船時遺言、③ 伝染病隔離時遺言、④ 在船時遺言の4種類があります。
 この特別方式のうち、現実に行われていることが多いのは、① 死亡危急時遺言です。
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						(2)遺言書には何を書くのか遺言で行うことができる内容は民法に定められており、それらの内容を遺言事項といい、遺言書に記載するべき事項になります。遺言事項は主に以下のとおりです。 
 ① 相続についての事項
 - 相続財産を誰に対して、どのくらい相続させるかなど
- 相続人を廃除するか(相続権を失わせること) など
 
 
 ② 財産処分についての事項
 - 財産の寄付 など
 
 
 ③ 身分関係についての事項
 - 子どもを認知したり、子どもに後見人を付けたりする など
 
 
 ④ 遺言の執行についての事項
 - 遺言執行者を定める など
 
 
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						(3)自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の概要と効力・ 自筆証書遺言 
 遺言者自身が、自筆で遺言の全文・日付・氏名を自書し、押印した遺言書が「自筆証書遺言」です。他の者による代筆やパソコンで作成したものは無効となります。なお、自筆証書遺言に添付する相続財産の目録は自筆ではなくパソコンなどを用いて作成しても問題ありません。
 
 ・ 公正証書遺言
 遺言者が証人2人の立ち会いの下で口述した内容を、公証人が筆記し、遺言者と証人が承認した上で、全員が署名・押印して作成したものが「公正証書遺言」です。作成の手続きに不備があると無効になりますが、公正証書遺言が無効となるような事態はほとんどありません。
 
 なお、福岡市内の公証役場は、以下の2か所あります。- 福岡公証役場(福岡市中央区舞鶴3丁目7‐13 大禅ビル2階)
- 博多公証役場(福岡市博多区博多駅前3丁目25-24 八百治ビル3階)
 
 ・ 秘密証書遺言 
 そして、遺言内容を生前は誰にも知られたくない場合、有効な遺言の方法として秘密証書遺言が紹介されることがあります。実務上はほとんど利用されることはありませんので詳細は割愛しますが、作成方法としては、自筆証書遺言と公正証書遺言を足して2で割ったような手続きになっています。遺言の全文、日付そのものは自書する必要がなく、他人の筆記やパソコンなどの利用によって作成することも可能です。
 
 相続問題でお悩みであれば、まずはベリーベスト法律事務所 福岡オフィスでご相談ください。
 
 
 
2、遺言書が原因で相続争いになりうるケース4選
遺言書が原因で相談争いになってしまう典型的なケースについては以下のようなものがあります。
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						(1)法定相続人や法定相続分を無視した遺言法定相続人以外の者(たとえば、生前世話になった恩人など)に財産を渡したいこともあるでしょう。また、法定相続分とは異なる割合で相続人に財産を渡したいこともあるかもしれません。このような場合には、遺言者は遺贈によって財産を譲ることができます。 
 もっとも、後の争いを避けるためにも、残された相続人の遺留分を侵害しないように配慮しておくことをおすすめします。
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						(2)本当に被相続人の意思なのか疑わしい遺言遺言書でなぜそのような遺言をすることになったのかの経緯や理由を付記することで、本人の意思が反映されているか知らせることが可能です。遺言書の書き方に工夫が必要といえるでしょう。 
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						(3)法的な拘束力がない遺言法的に拘束力のない遺言は作成すべきではありません。詳しいことがわからない場合、弁護士に記載する内容について相談したほうがよいでしょう。 
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						(4)不動産などがあり手続きが複雑な相続不動産も含めた多数の相続財産がある場合に、遺産相続が難航することはある程度やむを得ませんが、紛争を少しでも避けるべく遺言書の記載を工夫する必要があります。 
3、遺産相続について福岡で争う方法
福岡に住まわれている方の場合、遺産相続が親族同士の争いになってしまいそうなときの対応は以下の方法があります。
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						(1)福岡の弁護士に依頼して話し合いを行う遺産の相続が起こり、相続人間で相続財産の分配をめぐって対立が起こった場合には、最初から裁判所での手続きを行うのではなく、まず当事者の間で協議を行うことが通常です。当事者だけではうまく解決できないことが多いため、その際には、地元の風習などもよく知る福岡の弁護士に相談・依頼して協議を進めることをおすすめします。 
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						(2)調停・審判や裁判を行う協議で解決できない場合には、管轄のある家庭裁判所(福岡県には福岡家庭裁判所のほか多くの支部があります。)に調停などを申し立てて解決を図る必要があります。 
 
 福岡県内で相続関係の調停などを扱っている家庭裁判所は以下のとおりです。- 福岡家庭裁判所
- 福岡家庭裁判所 甘木出張所
- 福岡家庭裁判所 飯塚支部
- 福岡家庭裁判所 直方支部
- 福岡家庭裁判所 久留米支部
- 福岡家庭裁判所 柳川支部
- 福岡家庭裁判所 大牟田支部
- 福岡家庭裁判所 八女支部
- 福岡家庭裁判所 小倉支部
- 福岡家庭裁判所 行橋支部
- 福岡家庭裁判所 田川支部
 ※参考:福岡家庭裁判所(管内支部を含む)の窓口案内 
 
 調停や審判、裁判といった法的手続きを行う場合、必要な書面等の作成を行う必要があり、厳格な法的ルールにのっとることが求められることになります。話し合いの時点でもめそうだと感じた段階で、弁護士に相談することをおすすめします。
 
4、まとめ
					もしご自身で遺言書を作成することをお考えであれば、遺言が法的に有効であることだけでなく、残された相続人の間でできる限りトラブルにならないような内容を検討する必要があります。また逆に、ご自身が相続人として、遺言書の内容をめぐって相続争いに巻き込まれる場合もあるでしょう。
					
					いずれの場合も、弁護士に相談することにより、法的に適切な遺産相続を実現できます。相続について悩まれたときは、多くの取り扱い経験を持つベリーベスト法律事務所 福岡オフィスにご相談ください。
				
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
 
			 
						 
						
