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フリーランスは労働基準法が適用されない? 知っておくべき法律とは

2021年03月18日
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フリーランスは労働基準法が適用されない? 知っておくべき法律とは

労働市場においてフリーランスの需要はますます高まっており、福岡でもフリーランス向けの求人を多々見かけます。フリーランスは組織に縛られずに働くことができるというメリットがありますが、原則として労働基準法が適用されないなどのデメリットもあります。

しかし、昨今のフリーランス人口の拡大にともない各種法律の適用範囲は広がっており、フリーランスを保護するための法律や制度の整備は今後進む可能性はあるでしょう。そこで本コラムでは、原則として労働基準法が適用されないフリーランスが保護を受けることができる法律等知っておくべき点について、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスの弁護士が解説します。

1、そもそも労働基準法とは?

労働基準法とは、労働三法と呼ばれる労働関連法令の根幹をなす法律のひとつで、戦後の民主改革のなかで昭和22年に制定されました。その目的は、労働者の人権を擁護するため、労働者の権利と使用者の義務を具体的に定め、ひいては使用者の行き過ぎた行為から労働者を守ることにあります。

労働基準法に定められた数多くの基準には、少なくとも守らなければならない「最低基準性」と、すべての使用者がすべての労働者に対して一律に守らなければならない「一律性」があります。

さらに労働基準法は強行法規であり、その規制を使用者に守らせる手段として「私法上の救済」(労働基準法の定める労働基準を下回る部分の労働契約については無効)と、その規制のほとんどに「刑事罰」を設けています。

もっとも、労働基準法において定められた規制には、労働者との協議や労使員会の決議などの条件が整うことで認められる例外もあります。たとえば賃金全額払いの原則についての例外(労働基準法第24条第1項)や、法定労働時間を超える労働(同第36条)などが代表的です。これにより、労働者および使用者は事業場の多様性を考慮した柔軟な対応が可能となっているのです。

このように、労働基準法は立場の強い使用者から立場の弱い労働者を守るためのものであり、労働者にとってとても重要な法律なのです

2、フリーランスと労働者の違い

近年、多様な働き方への注目も相まって、労働人口のなかでフリーランスと呼ばれる人たちの存在感が急速に増しています。では、フリーランスと労働基準法で定める労働者は、何が違うのでしょうか。

労働基準法第9条によりますと、「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」と規定されています。また、労働基準法第11条では、「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と規定されています。さらに、昭和60年12月19日付けの労働基準法研究会報告では、使用者の指揮監督下の労働について明確な判断基準を示しています。

これらの条文や報告などから、労働基準法で定める労働者とは以下の3つの要件を満たしている人と定義されます

  • 使用者と労働契約を締結していること。
  • 使用者から賃金の支払いを受けていること。
  • 使用者から指揮命令、監督を受けていること。


これに対してフリーランスは、使用者と労働契約を締結しているわけでもなければ、使用者の指揮命令・監督下に置かれているわけではありませんしたがって、労働基準法で定める労働者には該当しないといます。

一見すると使用者のようにみえる相手方を「クライアント」と呼ぶように、むしろフリーランスは「個人事業主」なのです。

3、フリーランスに労働基準法は適用されるのか?

フリーランスは一般的に業務委託契約を結び業務に従事するケースが多いでしょう。労働基準法で定める労働者には該当しないわけですから、当然ながらフリーランスには労働基準法は適用されません。

しかし、たとえフリーランスの立場だったとしても、仕事の請負元から業務従事時間の拘束を受けていたり、業務の内容・遂行方法に対して指揮命令を受けていたりするケースは多々あります。また、仕事の請負元の顧客からの依頼を自由に断れるわけではないなど当該フリーランスに「労働者性」が認められれば、労働基準法をはじめとする各種労働法規が適用される可能性があります

実際に、業務委託契約者が原告として未払い割増賃金の支払い等を求めた裁判がかつて行われました。時間的・場所的に強く拘束され、かつ法律で定める最低賃金を下回るような報酬水準・支払い条件で働いていたという事実があったため、裁判所は、原告に労働者性があることから原告の主張を認める判決を出しています(東京地裁平成30年10月17日)。

4、フリーランスに適用される法律や気を付けるべき点

では、時間的場所的に強く拘束されないフリーランスを守るための法律は他にないのでしょうか。決してそのようなことはありません。確かにフリーランスは労働関連法令の保護を受けることはできませんが、民法、独占禁止法、下請法等による保護を直接的・間接的に受けることができます。以下、その概要をご紹介します。

  1. (1)請負

    請負とは「請負人Aがある仕事の完成を約束し、注文者Bがその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約」のことです(民法第632条)。ここでいう請負人Aはフリーランス、注文者Bはクライアントを意味します。

    請負における重要なポイントは、請負人Aは「仕事を完成させなければならない」義務があること(同条)、そして注文者Bは完成した仕事の対価として「報酬を支払わなければならない」義務があることにあります(同条および民法第633条)。

    また、請負人Aがその家族または従業員であるCに請負業務を行わせた場合、注文者BはCに対して雇用責任と指揮命令権を有しません。もし注文者BがCに対して指揮命令権を行使すると、この行為は派遣業法違反または偽装請負とされます。

    請負契約において、請負人Aがフリーランスとして注意しておくべき点は「責任」と「解除」です。もし完成したはずの仕事に(何らかの不手際)があった場合は、クライアント(注文者B)はフリーランス(請負人A)に当該瑕疵の補てんや賠償など責任を追及することができます。これをフリーランス(請負人A)の責任といいます。

    また、フリーランス(請負人A)が仕事を完成していない間、クライアント(注文者B)はいつでもフリーランス(請負人A)に対して契約を解除することができます。ただし、この場合は民法第641条の規定により、フリーランス(請負人A)はクライアント(注文者B)に損害賠償を請求することができます。

  2. (2)委任

    民法第643条によりますと、委任とは「受任者Aに対して委任者Bがある法律行為を委託(自分の代わりに誰かにしてもらうこと)すること」です。ただし、委任は民法第656条において建設や医療サービスの提供など法律行為以外の事実行為についても認められており、これを「準委任」といいます。ここでいう受任者Aはフリーランス、委任者Bはクライアントのことです。

    委任において、フリーランス(受任者A)には以下の義務があります

    • 委任の本旨に従って、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理すること(民法第644条)。
    • 請求があるときは、いつでも委任事務の処理状況を説明し、委任事務が終了したときは遅滞なくその経過と結果を報告すること(同第645条)。
    • 委任事務を処理するに際して金銭その他のものを受け取ったときは、すみやかにそれをクライアント(委任者B)に引き渡すこと。また、フリーランス(受任者A)が自己名義で何らかの権利を取得したときは、その権利をクライアント(委任者B)に引き渡すこと(同第646条)。
    • クライアント(委任者B)に引き渡さなければならない金額、またはクライアント(委任者B)の利益のために用いなければならない金額をフリーランス(受任者A)が自分のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払い、また、損害のあるときはそれを賠償すること(同第647条)。


    さらに、クライアント(委任者B)には以下の義務があります。

    • 報酬に関しての特約があれば、クライアント(委任者B)はフリーランス(受任者A)に対して報酬を支払わなければならない(同第648条第1項)。
    • 委任事務を処理するための費用を要する場合、クライアント(委任者B)はフリーランス(受任者A)からの請求があれば、それを前払いしなければならない(同第649条)。支出した場合は、支出費用および支出費用に利息を付して返さなければならない(同第650条第1項)。
    • 委任事務を処理するために、フリーランス(受任者A)が必要な債務を負担した場合、フリーランスの請求により、クライアント(委任者B)は、その債務を弁済し、債務が弁済期に至らない場合は相当の担保を提供しなくてはならない(同第650条第2項)。
    • フリーランス(受任者A)が自己に過失なくして損害を受けた場合は、その損害を賠償しなくてはならない(同第650条第3項)。


    委任または準委任では、フリーランス(受任者A)が善管注意義務を果たしたうえで仕事を遂行すれば、仕事が完成していなくてもフリーランス(受任者A)の契約不履行とはなりません(債務不履行責任は負いません)

    また、請負契約と異なり、当事者双方はいつでも一方的に委任の契約を解除することができます。しかし、解除が原因で当事者のいずれかに損害が生じた場合は、契約を解除した当事者に損害賠償責任が発生する場合があります(民法第651条)。

  3. (3)独占禁止法

    フリーランス人口の増加にともない、独占禁止法がフリーランスにも拡大して適用されるようになりました

    <公正取引委員会が公表するフリーランスに対して適用される独占禁止法上の禁止項目>

    • 発注者が共同して人材獲得競争を制限する行為
      クライアントが共謀してフリーランスの請負価額の上昇を防ぐことは、公平な人材獲得競争を妨げる行為といます。
    • 優越的地位の濫用行為
      クライアントと比べて、フリーランスの立場は弱いものです。これを利用してクライアントが成果物の受領拒否や著しく低い単価で取引を強要することは、フリーランスにとって不当に不利益です。
    • 不公正な競争手段
      クライアントが悪意をもって事実とは異なる虚偽の取引条件を示し、フリーランスを欺くことで、他のクライアントとの取引を妨害する行為です。
    • 自由競争の減殺
      クライアントがフリーランスに対して必要以上の秘密保持義務や競業避止を課すことで、フリーランスが他のクライアントを確保することを妨害する行為です。
    • 競争政策上望ましくない行為
      秘密保持義務や競業避止の範囲が不明確、フリーランスへの発注を書面ではなく口頭で行うこと、報酬などの諸条件について他のクライアントへの非開示を求めることは、フリーランスが他のクライアントを探すという公正かつ自由な競争を妨害する行為です。
  4. (4)下請法

    下請法の正式名称は、「下請代金支払遅延等防止法」です。
    同法の目的は、下請け事業者への代金支払遅延等を防止することによって、親事業者の下請け事業者に対する取引を公正化するとともに、下請け事業者の利益を保護することにあります(同法1条)。簡単にいえば、クライアント(親事業者)に規制をかけることで、フリーランス(下請け事業者)の利益を保護するための法律です。

    <下請法の対象となる取引>
    フリーランスが、一定規模のクライアントから、①製造委託を受ける場合、②修理委託を受ける場合、③情報成果物作成委託を受ける場合および④役務提供委託を受ける場合等に下請法の対象となります(同法2条に定義が書かれています)。

    1. ①製造委託を受ける場合
      「製造委託」とは、簡単にいえば、物品の製造・販売を行う事業者が、品質・規格・デザイン等を指定し、フリーランスに製造・加工を委託することです。たとえば、自動車や家電製品等の全部または一部の製造を外注する場合です。
    2. ②修理委託を受ける場合
      「修理委託」とは、物品の修理を行う事業者がその修理をフリーランスに委託したり、事業者が自社で使う物品の修理をフリーランスに委託したりすることをいいます。
    3. ③情報成果物作成委託を受ける場合
      「情報成果物作成委託」とは、ソフトウエア、映像コンテンツ、Webコンテンツ、デザインといった情報成果物の作成・提供を行う事業者が、その作業をフリーランスに委託することです。
    4. ④役務提供委託を受ける場合
      「役務提供委託」とは、運送、メンテナンス等の役務(サービス)を提供する事業者が、その役務(サービス)の提供をフリーランスに委託することです。もっとも、建設業の事業者が請け負う建設工事は下請法の役務から除かれています。建設業法によって規定されているからです。



    <クライアントの義務>
    フリーランスの利益を保護するため、下請法はクライアントに次の義務を課しています

    1. ①納品後60日以内に支払日を定める義務(同法2条の2)
      支払期日は、納品日またはサービス提供日から60日内で、かつ、できる限り短い期間内で定める義務があります。
    2. ②書面の交付義務(同法3条)
      クライアントがフリーランスなどの下請け業者へ外注した場合、発注内容、代金額、支払期日および支払方法等の必要事項が記載された書面(3条書面と呼ばれます)を直ちにクライアントは作成し、フリーランスに交付することが義務付けられています。
    3. ③遅延利息(年率14.6%)の支払義務(同法4条の2)
      クライアントは、支払期日に支払いをしなければ、納品があった日またはサービスの提供を受けた日から60日以降、年率14.6%の遅延利息を支払う義務があります。
    4. ④取引記録に関する書類作成および保存義務(同法5条)
      クライアントは、下請け業者となるフリーランスとの取引記録に関する書類(5条書類と呼ばれます)を作成し、これを2年間保存する義務があり、違反すると50万円の罰金が科されます。
    5. ⑤その他遵守事項(同法4条)
      フリーランスに帰責すべきでないにもかかわらず、納品を拒否したり、代金を支払わなかったり、代金を減額したり、相場より低い代金を定めたり等の行為が禁じられています。

5、まとめ

フリーランスには原則として労働基準法の適用がないだけではなく、情報力や交渉力において、クライアントに対しフリーランスは弱い立場です。もしクライアントとの交渉において困ったことがある場合、あるいはクライアントの言動に明らかに不法性が疑われる場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。弁護士であれば、依頼人であるあなたの立場に立ってクライアントとの交渉を代行します。

ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスでは、フリーランスや個人事業主の方からの各種ご相談を承っております。ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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