過払い金の相談はどうすればいい? 過払い金請求の流れと基礎知識
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福岡地方裁判所の破産事件(自己破産)は推移表によると、年々減ってきてはいるようです。それでも、まだまだ件数は少ないとはいえない状況です。
なかには過払い金があることを知らずに自己破産の手続きをした人がいるかもしれません。それだけ過払い金というものは、多くの人を苦しめています。
また、自己破産をせずに返済した方にとっては、今になって過払い金のことが気になる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、過払い金の基本的なことについて、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスの弁護士が解説します。
1、過払い金とは?
グレーゾーン金利という言葉をニュースで見聞きしたことがあるのではないでしょうか? これが過払い金に大きくかかわっています。
「過払い金」とは消費者金融やクレジット会社、大手デパートカードなどの貸金業者が、利息制限法の上限を超えて取り続けていた利息のことです。以前から日本の利息制限法では、定められた以上の利息を取ってはいけないという法律がありましたが、多くの業者が法の抜け道などを使っては、上限を超えて利息を取ってきました。ところが、平成18年1月のグレーゾーン金利に関する裁判において、利息制限法よりも払いすぎている分の利息に対し、初めて返還請求が通ったのです。
しかし、平成22年6月18日施行の貸金業法および出資法改正前まで、グレーゾーンが存在していました。
つまり、平成17年以前に借金をしていた場合は、返還請求をすれば支払いすぎた利息が返ってくる可能性が高いといえるでしょう。具体的には、利息制限法を超える利率で5年以上取引していたケースでは、過払い金が発生しているケースが多い傾向があります。
すでに完済してしまったから関係ないと思う方もいるかもしれません。実は、この過払い金返還請求は、完済後でも適用されます。払いすぎた利息を返してもらえるかもしれないのです。
詳細については個別に確認する必要がありますが、大手企業でも利息制限法を超過していたところが多く存在しています。下記は、実際に過払い請求が行われ、返金が実現したクレジットカード会社や消費者金融です。
- オリコ
- マルイ
- アプラス
- イオンカード
- ジェーシービー
- 出光
- ライフカード
- ニコスカード
- アコム
- プロミス
- オリコ
- アイフル など
もちろん、これら以外にもありますので、一度弁護士にお問い合わせください。
2、自分の過払い金の確認方法
かつてお金を借りていたものの、すでに完済し終わっていて、すでに自分の過払い金の計算ができないというケースは多いはずです。
まずは、その過払い金の金額を確かめる方法から解説します。
相談者に過払い金返還請求権があるかどうかは、弁護士に相談すれば、おおよその見当をつけることができます。
ただし、最終的に権利があるかどうかは、貸金業者から開示された取引履歴をもとに法定利率による引き直し計算を行った上で詳細に検討しなければなりません。
それでも、最初に借り入れをした時期と金額、最後に支払いをした時期がわかれば、おおよそ判明するでしょう。ベリーベスト法律事務所で行っている無料診断も利用してみてください。
3、弁護士と司法書士、相談するならどっち?
債務整理や過払い金問題を業務として引き受けることができるのは、弁護士と認定司法書士だけです。それ以外の業者が過払い金請求を仕事として引き受けると、法によって罰せられることになります。
では、過払い請求を相談するのは、弁護士事務所と司法書士事務所、どちらが適切なのでしょうか?
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(1)司法書士は法律事件の交渉や訴訟の代理人は原則できない
前提として、「司法書士」は、法律事件の交渉を行うことや、裁判所における訴訟の代理人となることは原則として許されていません。弁護士法72条により司法書士がこれを行えば、違法な行為となります。
ただし、特別に法務大臣の認定を受けた認定司法書士であれば、例外的に、簡易裁判所における裁判の訴訟代理人を行うことが可能となっています。 -
(2)140万円を超えてしまうときは、司法書士では取り扱う事ができない
しかし、ここで注意しなければいけないことは金額でしょう。簡易裁判所における裁判とは140万円以下の裁判に限られます。
つまり、過払い金の金額が140万円を超えてしまうときは、認定司法書士では取り扱うことができないということです。 -
(3)過払い金の金額が大きくなる可能性があるときは弁護士へ
もちろん弁護士であれば、140万以上を請求する裁判となったとしても、対応可能です。訴訟に代理人となることも、法律事件の交渉も問題なく行えます。むしろ、それこそが弁護士の仕事といっても過言ではありません。
もし、司法書士事務所に依頼をしたとしましょう。
調査の結果、過払い金の金額が140万円を超えてしまっていることが判明したときは、その段階で代理人を変えるか、本人が対応せざるを得ない状況に陥ることになります。
依頼先を変更するということは、時間とコストが余計にかかることになるということです。つまり、過払い金の金額が大きくなる可能性があるときは、最初から弁護士に依頼したほうがよいといえるでしょう。 -
(4)弁護士の無料相談を上手く利用しよう
「過払い金額がわからない」「どの会社に借りたのかを覚えていない」「正確な日時を覚えていない」など過払い金に対しては不明なことが多く、過払い金があるかもしれないのに請求をためらう方もいるようです。
さらに、自分で調査することが面倒で、あきらめているケースも耳にします。ましてや、自分がわからないのに弁護士へ相談することはできないと思い込んでいませんか。
そもそも、過払い金が発生する条件として、平成22年以前に借金をしていたケースが中心となります。そのため、相談をいただくすべての借金に過払い金が発生しているわけではありません。
しかし、ベリーベスト法律事務所であれば、相談と過払い金の有無の調査を無料で行っています。わずかなヒントからでも、過払い金の有無を特定できるのです。
もし過払い金があったとしても、回収するためにかかる費用のことも気になるかもしれません。まずはベリーベスト法律事務所に無料相談をいただくことをお勧めします。
4、過払い金請求の注意点
過払い金返還請求権は、法律用語でいうと「不当利得返還請求権」といいます(民放703条、704条)。調査などの結果、もしあなたに過払い金が判明したとわかったとして、どうしたらいいのでしょうか。過払い金請求を行う際の注意点を解説します。
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(1)過払い金の時効について
過払い金が発生しているからといっても、いつでも請求ができるわけではありません。
過払い金返還請求権(不当利得返還請求権)の消滅時効期間は、最高裁昭和55年1月24日判決により、完済から10年と解釈されています。
取引が終了した日、つまり完済した日がかなり前なのであれば、過払い金を請求する権利が時効消滅してしまった可能性があります。
しかし、「3日後に時効が完成してしまう……」などの差し迫った場合でも、いますぐ適切な対策をとることにより過払い金の消滅を免れることができます。そのようなときは時間を無駄にしないためにも、早急に弁護士へ相談してください。 -
(2)信用情報について
過払い金の請求をしたことによって、いわゆる「ブラックリスト」に載るのではないかと心配される方もいます。ここで登場した「ブラックリスト」とは、信用情報機関が管理する、返済能力に関する信用情報のことです。
具体的には、債務整理(自己破産・民事再生・任意整理・特定調停)の事実や返済の遅れなどの事実が発生した場合に、信用情報機関にそれらの情報が掲載されます。
貸金業者やカード会社などは、この信用情報機関に掲載されている情報を参考に「お金を貸しても返済が難しい人物かどうか」を判断するわけです。
つまり「ブラックリストに載る」と、クレジットカードが作れなくなったり、新たにお金を借りたりすることができなくなる可能性があるのです。
確かにかつては、過払い金請求をしたあと、信用情報機関に「契約見直し」などの情報が登録されてしまうケースがありました。そのため、あえて完済してから過払い金を請求する、という手法が採用されていた時期もあったのです。
しかし、金融庁は、「そもそも信用情報とは支払い能力に関する情報であり、過払い返還請求の有無は信用情報ではなく信用情報機関に掲載されるべきではない」という見解を示しました。金融庁によって「過払い金請求は債務整理ではない」という点が明確になったことにより、過払い金請求を行っても、信用情報機関にその情報が掲載されることは原則としてありません。
つまり、過払い金請求を行ったとしても、「ブラックリスト」に載ることは原則としてありません。
ただし、現在も該当の借金を返済中で、過払い金を引き直して計算しても借金が残ってしまうケースは、過払い金請求は慎重に行ってください。過払い金を請求することによって、信用情報機関に「契約見直し」として掲載されることになります。
つまり、実際に任意整理を行わず過払い金請求だけしたつもりであっても、ブラックリストに載ってしまう結果を招きます。
なお、過払い金が発生するかどうかや具体的な金額などについては、ベリーベスト法律事務所の無料相談をご利用ください。詳細を調査し、過払い金が発生するかについて含めてのアドバイスを行います。
5、弁護士に相談する流れ
過払い金があることが判明したにしても、まだわからない状態でも、弁護士に相談すべきか悩む方もいるでしょう。なじみがないせいか、「弁護士相談するのは敷居が高い」と考える方も多いようですが、実のところそのようなことはありません。
自分で過払い金請求を行うことは大変時間がかかり大変な作業です。手順や交渉術に長けている専門家に一任することは、あなたにとっても大きなメリットがあるでしょう。
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(1)費用について
過払い金が発生していたとしても、その戻ってくるお金と弁護士への支払いでは、どちらが高いだろうと考えることでしょう。確かに、戻ってきたお金のすべてを弁護士に支払わなければならなくなるのであれば、請求した意味がないことは確かです。
ベリーベスト法律事務所であれば、まずは無料相談していただければ、無料調査を通じておおよその目安についてアドバイスが可能です。また、弁護士費用の目安は以下に記載されていますが、個々によって状況が異なります。
やはり無料相談を受けていただくと安心できるでしょう。まずは、電話やメールでご相談ください。
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(2)過払い金の相談に必要な情報と持ち物
基本的には弁護士へ相談いただければ、あやふやな記憶からでも過払い金の額などを突き止めることができます。貸金業者には「保存しているすべての取引履歴を開示する義務がある」とする判例があるためです。
それでも、以下のようなものがあると、早期に過払い金の返却が行われる可能性が高まるでしょう。- 貸金業者との契約書(金銭消費貸借契約書)そのほかの説明書類
- 返済金の振り込み明細書
- 返済金の振り込み用銀行カード
- 借入金の振り込みや返済金の引き落としが記録された貯金通帳、預金通帳
- 借り入れと返済の年月日、金額がわかる記録
- 貸金業者からの通知書や督促状
- 貸金業者の宣伝ビラ、チラシ
6、まとめ
過払い金を請求する権利は法律上認められた正当なものです。不安なことも多い過払い金請求、まして支払いが完了したあととなると、迷われる方も多いでしょう。
しかし、悪いのは違法な金利を取っていた消費者金融などの貸金業者なのですから、遠慮することはありません。
最終的に過払い金請求をするかどうかがわからなくても、気軽に弁護士へ相談していただければと思います。個々のケースに応じて、経験豊富な弁護士がアドバイスします。
なお、ベリーベスト法律事務所では、面倒な手続きなどはすべて対応することも可能です。まずはあなた自身の状況を教えてください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています