家族にバレないで債務整理をしたい! 秘密の借金をバレずに整理する方法

2020年05月29日
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家族にバレないで債務整理をしたい! 秘密の借金をバレずに整理する方法

司法統計の速報値によると、福岡地方裁判所で令和元年10月に新たに受理された自己破産件数は329件です。今年1月からの10か月累計は3188件で、福岡地方裁判所管内だけでも毎日10名程度が自己破産の手続きを始めている計算になります。

これくらいなら大丈夫だと思っていたのに、借金の返済が進まず困っている方は少なくないようです。もしもあなたに多額の借金があり、滞納していることを家族にバレたくないのであれば、できるだけ早く弁護士に相談してください。

自己破産という言葉のイメージからか、債務整理に踏み切れない方もいるかもしれません。しかし、自己破産のほかにも、職業や住宅事情によって適した債務整理の手段があります。 債務整理のさまざまな方法とその違い、弁護士に依頼するメリットについて、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスの弁護士が解説します。

1、債務整理とは?

個人が負う債務でもっとも代表的なものは「借金」と「ローン」でしょう。
将来お金を返すという信用と引き換えに、お金や商品・サービスをすぐに手に入れることができる点は非常に便利です。ただし、決まった期日に、約束した利息を上乗せして返済していく義務を負うことになります。これが「債務」です。

しかし、将来の収入を見込んで借りたものの、収入が激減したり、他の支出が急増したりするなどして、予定通りに返済ができなくなることもあるでしょう。毎月の利息分すら支払えなくなってしまったとなれば、借金がどんどん雪だるま式に増えてしまうおそれがあります。

返済能力を超えてしまった場合、放置すればするほど、借りた側も貸した債権者側にとっても不利益が増える一方です。

そこで、どうしても返せないときは、債務整理の検討をおすすめします。
債務整理とは、債権者との交渉や裁判所の決定により、借金の総額を減らしたり、返済を免除してもらったりする手続きのことです


債務者は、自分の返済能力を超えた負担から解放され、生活の再スタートを切ることができます。

2、債務整理の代表的な3つの方法

債務整理には、裁判所が関わるものと、そうでないものがあります。

代表的な方法として、「任意整理」「個人再生」「自己破産」があります。
ただし、いずれの場合も、信用情報機関に債務整理を行ったことが掲載されるため、クレジットカードやキャッシング、ローンなどは一定期間利用できなくなる点に注意が必要です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

  1. (1)任意整理

    任意整理は、裁判所は関わらずに、債務者と債権者が直接交渉して行う債務整理です

    主に貸金業者に対して、「支払い過ぎた利息」や「将来払う利息」をカットするよう交渉し、毎月の支払いを軽減します。借金がゼロになるわけではありませんが、利息分の負担が大きく軽減される可能性が高い方法です。

    減額を交渉する債務整理方法であるため、もちろん個人でも交渉が可能です。

    しかし、貸金業者などの債権者と、お金を借りていて返せない債務者が直接交渉することは非常に難しいことでしょう。したがって、弁護士を介して交渉する方がスムーズに進み、減額も大きくなるのが一般的です。

    また、弁護士に債務整理を依頼すれば、「貸金業法第21条第1項9号」の定めにより、債権者は債務者本人に督促することができなくなります。自宅に督促が来る心配がなくなりますので、特に家族にバレたくないという場合は、弁護士に依頼することが重要になります。

  2. (2)個人再生

    個人再生は、裁判所に対して現在の借金が返済困難であることを申し立てし、その事実を裁判所に認めてもらうことによって債務を整理する方法です。特徴として、住宅ローンは整理対象から外すことができるため、自宅を残したまま債務整理が可能です。

    個人再生が認められれば、減額された借金を、原則的に3年間で分割返済していくことになります。自己破産の場合は、住宅ローンの返済も免除される代わりに自宅を手放す必要があります。引っ越しで借金問題を周囲にバレたくないなどの場合は、個人再生が適しているでしょう。

    ただし、裁判所から通知が届くため、家族にバレないように債務整理を行うことは難しいかもしれません。また、裁判所を通じた手続きであることから、官報へ個人再生を行った事実が公表されます。
    官報とは、国から国民へのお知らせとしてほぼ毎日さまざまな通知が掲載されている文書です。インターネット版官報もあり、一定期間閲覧できます。

  3. (3)自己破産

    自己破産とは、裁判所の権限で、すべての借金を帳消しにしてもらう手続きです

    具体的には、裁判所に「破産手続開始・免責許可申立書」という書類を提出し、それが認められた場合に「免責許可」が下されます。財産を売却し、債権者に分配整理したのちに、すべての借金をゼロにすることができます。

    持ち家の場合は売却することになりますが、借家であればそのまま今の住まいに住み続けることができます。身の回りの生活用品はそのままです。ただし、20万円以上の価値のあるものは手放す必要があるため、学資保険や解約返戻金のある生命保険も基本的に解約することになります。

    また、個人再生同様、官報に情報が掲載されますし、裁判所から通知が来る可能性があります。さらに、手続きに入った時点で業務ができなくなる職種があります。家族にバレないよう手続きを進めることは難しいでしょう。

3、家族や周囲にバレないように債務整理をするなら、どの方法がいいの?

  1. (1)バレたくないなら、「任意整理」がおすすめ!

    なるべく周囲に知られずに債務整理がしたいのであれば、弁護士を介した「任意整理」をおすすめします

    なぜならば、「貸金業法第21条」により、弁護士受任通知後は、貸金業者などの債権者から本人へ、直接督促することが禁じられているからです。郵便物や電話が家族や勤務先にかかってくる心配がなくなります。

  2. (2)任意整理なら、裁判所が関与しないためバレにくい

    次に、任意整理であれば、裁判所が関与しません。裁判所による財産調査や、財産の処分の必要がないため、家族に気づかれないで手続きを済ませることもできるでしょう

    たとえば勤務先の会社にも借入金がある場合や、親族が連帯保証人になっている借金があるケースでは、債権者である勤務先や連帯保証人となっている親族にも自己破産した旨が通知されます。

    しかし、任意整理であれば、特定の債務を整理対象から外すこともできます。
    つまり、勤務先や親族が絡む借金は自力で何とか返済していくことさえできれば、債務整理した事実がバレないのです。

4、債務整理を弁護士に相談するメリット

債務整理を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

  1. (1)督促の電話や裁判所の郵便物が自宅に来なくなる

    先述の通り「貸金業法第21条第1項9号」の定めにより、弁護士が債務整理を受任した旨が債権者に伝わったのちは、電話や郵便物はすべて、受任した弁護士に送られることになります

    督促のストレスから即時に解放されるのは、大きなメリットでしょう。

  2. (2)最適な債務整理方法を提案してもらえる

    借金の金額や内容、職業、家族の状況によって、最適な債務整理方法が異なります。そもそも、自分ひとりで債務や財産の全容をつかむことも大変です。債務整理事件に対応した経験が豊富な弁護士に依頼することで、状況を整理して、関係者全員にとって最適の手段を模索します

  3. (3)債権者への交渉を代行してもらえる

    任意整理の場合は、貸金業者と直接交渉をすることになります。過払い金の調査や、利息の確認については法律や金融の知識が必要ですので、これらの知識や経験が全くない一般人では具体的な交渉を行うことは非常に難しいのが現実です

  4. (4)裁判所への各種手続きをサポートしてもらえる

    債務整理に伴い、裁判所に提出する書類や手続きがある場合は、どうしても平日昼間に裁判所に足を運ぶ必要が出てきます。

    弁護士に依頼すればそれらの手続きを代わりにやってもらうことができます。あなたは弁護士に任せて、仕事を休む必要もなく、日常生活を送ることができるしょう

    個人再生の場合
    返済計画を立てる必要があります。
    これらも返済計画策定の知見のある弁護士に依頼することで、スムーズに手続きが進むでしょう。

    自己破産の場合
    本人が裁判所に行き、質問に答えなければならない場面も出てきます。
    過剰なギャンブルなど、理由によっては免責許可が下りないケースもあるため、裁判所の許可が下りやすいよう十分に検討する必要があるでしょう。
    これらも弁護士のサポートがあれば安心です。

  5. (5)司法書士に比べて債務金額の制限がない

    債務整理の手続きは、司法書士も取り扱うことができます。ただし、司法書士が取り扱えるのは140万円までという制約があります。

    これを超えてしまうと、再度弁護士を探して依頼しなおすか、あなた自身で手続きをする必要があります。金額が不明である場合は特に、最初から金額制限のない弁護士に依頼することをおすすめします

5、まとめ

家族や職場にバレないように債務整理をしたいのであればなおさら、取り立てなどが始まる前に弁護士に依頼することが重要です。悩んでいる間にも、借金の利息は容赦なく積み重なっていきます。債務整理の着手が早ければ早いほど、払うべき金額が少なく抑えられる可能性も高まります。債務整理は時間との闘いともいえるでしょう。

債務整理を検討しているのであれば、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスの弁護士にご相談ください。債務整理に対応した経験が豊富な弁護士が、現状の把握から債権者との交渉までスムーズに対応します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています