モラハラな元夫から離婚後も嫌がらせ! 平穏な生活を取り戻す方法

2024年09月18日
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モラハラな元夫から離婚後も嫌がらせ! 平穏な生活を取り戻す方法

福岡市内でも、元配偶者からの嫌がらせが事件として報道されることがあります。

モラハラやDVから逃れるために離婚したいと考えても、離婚後も引き続き元配偶者から嫌がらせされるかもしれないという恐怖で離婚をあきらめている方もいるでしょう。そのようなときはひとりで抱え込まず、福岡県や市で行っている相談窓口の利用はもちろん、警察や弁護士の力を借りることも検討すべきです。

元夫からのしつこい嫌がらせに対抗できる法的な対応方法について、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスの弁護士が解説します。


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1、元夫からの嫌がらせの例

問題行動をする元夫と、離婚ですっきり縁が切れたならばよいのですが、場合によっては離婚後も元夫がしつこく嫌がらせをするケースがあります。元妻に未練や恨みがある、子どもとの面会交流や養育費の支払いに不満がある、などその原因はさまざまです。

嫌がらせの例と、不法行為として罪を問える場合の罪状、法定刑を以下に示します。

  1. (1)電話などで執拗に脅す

    ① 脅迫罪
    何度も電話をかけてきて、激しい口調で「このまま逃げ切れると思うなよ」「お前のやったことを会社に言いふらす」「家に火をつけてやる」などと脅してくる場合は、刑法第222条「脅迫罪」に該当する可能性があるでしょう。

    自分だけでなく、子どもや親族への危害や財産を損なうような脅しも対象です。
    法定刑は「2年以下の懲役」または「30万円以下の罰金」です。

    ② 強要罪
    また「土下座して謝れ」など、脅して義務のないことをさせようとしたり、権利の行使を妨害したりした場合は、刑法第223条「強要罪」に該当する可能性があります。脅迫罪と同じく、家族・親族への強要も罪に問われます。また、未遂でも罰せられます。
    法定刑は「3年以下の懲役」です。

    ③ 業務妨害罪
    職場にまで執拗に電話をかけて脅す、無言電話をする、ウソを言いふらすなどで業務に差し障りがあれば、刑法第233条、第234条の「業務妨害罪」にも問える可能性があります。法定刑は「3年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」です。

  2. (2)ストーカー行為をする

    先の脅迫・強要を含め、つきまといや、待ち伏せなどをはじめとした嫌がらせ行為の根源に恋愛感情などが潜んでいる場合は、「ストーカー行為規制法」で罪に問うことができる場合があります。

    正式名称は「ストーカー行為等の規制に関する法律」です。同法第2条と3条では、ストーカー行為を以下のとおり定義しています。

    • つきまとい、待ち伏せ、押し掛け、周辺のうろつき
    • 監視していると告げる行為
    • 面会・交際等の要求
    • 乱暴な言動
    • 無言電話、連続電話、連続FAX、連続メールの送信等
    • 汚物などの送付
    • 名誉を傷つける
    • 性的羞恥心の侵害
    • GPSなどを用いて位置情報を同意なく取得する(GPS機器などを取り付けることも含め)ことなど


    ストーカー行為規制法では、各道府県警察署長からこのような行為を繰り返さないよう「警告」することができると定められています。

    また、都道府県公安委員会より当該行為に対する「禁止命令」を下すことができます。
    それでも元夫がストーカー行為を続ける場合は、検挙・処罰を行います

    法定刑は以下のとおりです。

    • ストーカー行為をした者は、「1年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」
    • 禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、「2年以下の懲役」または「200万円以下の罰金」
    • 禁止命令等に違反した者は、「6か月以下の懲役」または「50万円以下の罰金」
  3. (3)乱暴な行為をする

    ① 暴行罪
    元夫から、胸倉をつかまれる、突き飛ばす、腕を強引に引っ張るなどの暴力行為があれば、刑法第208条の「暴行罪」にあたる可能性があります。
    暴行罪は被害者が加療を要する怪我を負っていない場合に適応される刑事罰で、法定刑は「2年以下の懲役」もしくは「30万円以下の罰金」または「拘留(こうりゅう)」もしくは「科料(かりょう)」が科されます。

    「拘留(こうりゅう)」とは1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置する刑です。
    「科料(かりょう)」は1000円以上1万円未満の金銭を強制徴収する刑です。

    ② 傷害罪
    もしも、元夫からの嫌がらせで負傷したならば、「暴行罪」よりも罪が重い「傷害罪」が適用されうるでしょう(刑法第204条)。傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役」または「50万円以下の罰金」です。

    いずれの場合も、暴行を受けたらすぐに110番通報するなどして素早く警察に相談するようにしましょう。また、受傷部分の写真を撮っておくことも証拠となります

    怪我をして病院にかかったならば、診断書をもらうようにしましょう。

2、元夫からの嫌がらせを相談する先は?

元夫からの嫌がらせで困っている場合、どこに相談したらよいのでしょうか。

  1. (1)まずは嫌がらせの記録を取る

    まずは、嫌がらせと感じる行為はすべて、録音、録画、手帳などへのメモ、メールやSNS画面のスクリーンショットなど、なるべく多く記録を残しましょう
    頻度も重要ですので、毎回記録することが大切です。

    証拠がなければ、正しくあなたの状態を伝えることができず、手助けしてくれる機関が何もできなくなってしまうためです。まずは証拠を集めましょう。

  2. (2)警察や行政に相談する

    不安や恐怖を覚えるような元夫からの嫌がらせは「これくらいで」と思わずに、福岡県警察本部 人身安全対策課をはじめ、近所の交番など、警察へ相談することをおすすめします。

    その際は、今まで受けた嫌がらせの記録などを持参するとよいでしょう。
    記録とともに状況を話せば、その態様に応じて、パトロールを増やす、接近禁止命令を出すなどの対策を講じてくれるでしょう。警察に相談すると、警察に相談記録が残されます。後日裁判で証拠として採用されることもあります

    もしも、警察に行くことに抵抗があれば、まずは行政の女性相談窓口に相談する手もあります。福岡市男女共同参画推進センター「アミカス」では、平日だけでなく土日も無料相談が受けられるようです。サイトなどで詳細を確認してみてはいかがでしょうか。

  3. (3)家庭裁判所に相談する

    元夫とのトラブルがあり、当事者同士の話し合いでまとまらない場合、裁判所に調停を申し立てることができます。

    協議離婚などの離婚調停で決めたことも、嫌がらせがあることを踏まえて再度調整し調停することになるかもしれません。

  4. (4)弁護士に相談する

    どの段階であっても、弁護士に相談することで今後の最善策を一緒に考えてもらうことができるでしょう。弁護士に相談することに早すぎることはありません。

    嫌がらせの記録の取り方も、裁判で採用できる証拠となるようにアドバイスが受けられます。また警察に同行してもらうことで、禁止命令などが迅速になされる可能性が高まります。前述の家庭裁判所への申し立ても、弁護士の助けがあればスムーズに進むでしょう。

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3、元夫からの嫌がらせ対策を弁護士に依頼する5つのメリット

元夫からの嫌がらせに、自分ひとりで対抗するのは非常に難しいものです。
そのような場合は、弁護士の力を借りることをぜひ検討してください

  1. (1)弁護士の存在が、嫌がらせの抑止力になる

    弁護士が間に入るだけで、元夫が嫌がらせを止めたり、冷静さを取り戻したりする可能性も十分にあります。
    第三者が介入することが、状況を変えるカギになることは大いにありえるのです。

  2. (2)元夫と一切関わらずに済む

    元夫から嫌がらせを受けている場合は、「やめて」と伝えることすら恐怖を感じることもあるでしょう。
    何らかの要求を伝えたくとも、顔を合わせることはもちろん、声も聞きたくない。そんなときは弁護士に依頼しましょう。すべての交渉をあなたの代理人として対応することができます。
    あなたは弁護士とやりとりしながら、解決を目指すことになります。あなたの精神的・肉体的負担を大きく軽減できるでしょう。

  3. (3)裁判所の調停手続きを依頼できる

    もしも裁判所で調停を望むならば、弁護士があなたに代わり主張をすることが可能です。
    弁護士の知見を得ることで、より自分の希望に沿った条件で決着する可能性が高まります

  4. (4)示談や慰謝料を請求できる

    弁護士に相談すれば、元夫からの嫌がらせによる精神的苦痛に対し、慰謝料を請求できるかどうかも検討できます。請求する場合、弁護士が代理人となり交渉を行います。
    慰謝料を請求することによって、元夫の嫌がらせを抑制することもできるでしょう

  5. (5)インターネット上の誹謗中傷、プライバシー侵害に迅速に対応できる

    元夫から、インターネット上で事実無根な書き込み、誹謗中傷やプライバシー侵害という嫌がらせを受けた場合は、一刻も早く削除したいことでしょう。

    サイトの運営者に削除請求を出す際、弁護士名義で削除要求を出すことで迅速に対応される可能性が高まります。また、弁護士であればプロバイダや通信事業者に対し、嫌がらせの書き込みを行った発信者情報開示請求も可能です。

    もしも元夫の仕業だったと確定すれば、訴訟になった際に有力な証拠とすることができるでしょう。

4、まとめ

元夫からの嫌がらせは、一歩間違えば、大きな被害につながる可能性があります。取り返しがつかなくなる前に対策しながら離婚を進めるとともに、その後も対策について情報収集などを行いつつ第三者へ相談しておくことを強くおすすめします。
現時点で恐怖を感じるような出来事があり、不安を感じるならばすぐにでも、警察などへ相談すべきです。

そのうえで、慰謝料請求などを検討するのであれば、ベリーベスト法律事務所 福岡オフィスへご相談ください。離婚問題やストーカー対策に対応するための知見が豊富な弁護士が、あなたが受けた損害を取り戻すために力を尽くし、あなたの新たな一歩をサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています